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個別受注生産の課題解決を目指す生産スケジューラ活用方法

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【Asprova APS】業種別ソリューション:産業用機械・構成部品

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ドキュメント名 個別受注生産の課題解決を目指す生産スケジューラ活用方法
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 アスプローバ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ネットワーク対応型生産スケジューラ Asprova 業種別ソリューション 事例集、サンプルデータ付カタログ 産業用機械・構成部品 アスプローバ株式会社 http://www.asprova.jp/
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業種別ソリューション 産業用機械・構成部品) 産業用機械・構成部品関係企業の悩み 製造現場における現在の重要課題の一つは、需要変動などの外部変動や、生産リードタイムや歩留まり、故障などの内部変動に、在 庫を抑えつつ、どのように適切に対処していくかです。その解決策には 2 つのポイントがあります。それは、「見える化」と「リードタイム短 縮」です。 「見える化」と「リードタイム短縮」は、有限能力スケジューリングを導入することにより解決します。有限能力スケジューリングは、設備や 人員の負荷を考慮した、リードタイムが短くなるような生産スケジュールを作成します。そして、スケジュール結果および工程の進捗状況 および未来のスケジュールを誰からでも見えるようにし、「見える化」が実現します。 Asprova は生産計画を高速に作成し、スケジュールの見 える化を実現し、これまで、多くの産業用機械・構成部品 メーカのお客様のご要望に多数、お応えしてきました。以 下に、Asprova によるソリューションをご紹介します。 有限能力スケジューリングによる納期回答 有限能力スケジューリングにより、製造指示にそのまま出せるレベルの計画を立案できます。在庫との引き当ても加味しながら、特急注 文や納期変更に、すばやく対応できます。 在庫と紐付き リードタイム 納期 各工程の開始、終了 各工程で作業を行う資源 ◆ オーダガントチャート … 納期遅れの確認、各工程の待ち時間、在庫との紐付けなどが確認できます。そのほか、資源ガントチャー ト、作業ガントチャート、品目ガントチャート、納期遵守フラグを標準装備。マウス操作による計画の修正が簡単にできます。
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業種別ソリューション 産業用機械・構成部品) 効率的な負荷調整 複数の製造ラインへの効率的な負荷分散が可能です。このほか、設備投資シミュレーション、人員配置計画、冶具を加味したスケジュー リングも可能です。設備、作業員ごとのシフト変更もマウス操作で簡単に行なえます。 日単位の資源の負荷状況 (時間単位での表示も可能) 負荷平均 ◆ 負荷グラフ … 現在の負荷状況が一目でわかります。表示期間、表示する資源、文字列のカスタマイズは思いのまま。そのほか、 在庫グラフ、リードタイムグラフを標準装備。 作業員の能力を管理するスキルマップ 作業員の工程スキル専用の設定テーブル”スキルマップ”も標準装備。部品表や資源能力などのマスタ編集テーブルとは別に作業員の 能力(できる/できない+工程スピード)を管理可能です。 ◆ スキルマップ(仕様) … 項目は 999 個まで追加可能。画面や入力方法も柔軟にカスタマイズ可能です。
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業種別ソリューション 産業用機械・構成部品) 在庫、受注情報と紐付けた生産計画 製造単位のオーダだけでなく、受注単位でのオーダを登録可能。安全在庫を加味しながら、不要在庫を削減した生産計画が立案でき ます。 ◆ 受注予定表 … 一定期間のオーダ情報を、予測、販売予 ◆ 在庫グラフ … 在庫の推移、原料の必要量とタイミングが一目 定、内示、確定の 4 つの確度をつけて登録可能。 でわかります。このほか、生産グラフや消費グラフも標準装備。期間 ごとの集計機能も充実。 ※ 要受注オプション 計画結果、シミュレーション結果の KPI で評価 品目への単価および資源の時間単価を設定するだけで、売上、利益、利益率、原材料費などの KPI(Key Performance Index)を算出可 能。計算式が自由にカスタマイズでき、標準原価計算も算出可能です。設備投資シミュレーション結果の検証にも使えます。 ※ 要 KPI オプション ◆ KPI (Key Performance Index) … 計画結果を KPI で評価。履歴も残せます。 ◆ KPI (Key Performance Index) レーダーチャート … シミュレー ション結果をレーダーチャートを用いて比較します。(HTML View 使用)
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業種別ソリューション 産業用機械・構成部品) グローバルネットワーク対応 Asprova は日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語に対応。同一パッケージであ れば、連携も密に取れます。 中国語(簡体字) 中国語(繁体字) 英語 韓国語 タイ語 ◆ グローバル言語対応 … 起動中にいつでも表示言語を切り替えできます。
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業種別ソリューション 産業用機械・構成部品) 事例のご紹介 最新の事例は、インターネットからご覧ください。 http://www.asprova.jp/casestudies/
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事例レポート NO.1 “手書き”による計画作成の効率化を       目指してAsprovaを導入、 本社所在地: 柔軟性のある計画作業や現場の  大阪市東成区深江南 1丁目 2番 11 号 設立 :1921 年 4 月 資本金 :8258 万 1700 円       作業効率アップに大きな効果 売上高 :84 億 8000 万円(2006 年度) 社員数 :362 名(2006 年 4 月現在) 事業内容 :空気圧・電動工具  瓜生製作様は、主として自動車工業や電気機械工業などの産業用      および関連機器の製造・販売 向けの空気圧・電動工具を製造・販売する会社である。主な製品と URL :http://www.uryu.co.jp/ しては、ボルトやナットの締め付け/取り外しを行なうオイルパルス レンチ、研削/磨き用のグラインダ、穴あけ/タッピング用のドリル などがある。その活動の歴史は古く、1915年(大正4年)に創業 され、その後1921年に株式会社となった。1999年、同社は基幹業務 システムをERPシステムに刷新する大規模プロジェクトを立ち上げ た。このプロジェクトの中には生産管理システムの導入も盛り込ま れており、検討項目の一つとして、手作業で行なっていた「工場の 稼働計画作りの効率化」があった。この課題に対する解決方法が Asprovaだった。課題の詳細やAsprova導入の効果について、当時 生産管理部でプロジェクトリーダーだった生産担当の南田取締役、 さらに現在Asprova で製造計画を作られている奈良製造部 奈良 機械課 係長の山本和彦氏、増井隆信氏にお話を伺った。 手書き計画”の課題を抜本的に解決するため、Asprovaを導入  冒頭で少し触れたように、奈良工場ではそれまで工場 の稼働計画を手作業で作っていた。手元に加工図面が 来た時点で、各工程の責任者が“頭の中”で作業順序 を組み立て、実際の作業計画を手で書いて、自工程の 瓜生製作株式会社 奈良製造部 係長 各機械に割り付けていたのだ。しかし人手で計画を 山本和彦氏 作っていくため多くの時間がかかることになり、 「小日程計画」の実現方法が検討されていた。 また工場全体の稼働計画の調整は、月一回の進捗会議 で行なわれていた。この場では各工程の責任者ごとに 自工程の「納期回答」を出してもらい、その後に全体 の工程を集約してまとめ管理する必要があった。この 時の課題を、奈良製造部 奈良機械課 係長の山本和彦氏 は、次のように語る。 が割り込んできた場合には、生産管理部の人間が、  「当時は手作業で計画が作られていたため、図面が 工場内の各工程間を走り回って作業調整を行なう必要 瓜生製作株式会社 奈良製造部 係長 何十点、何百点となった場合、会議までに全ての納期 があった。 増井隆信氏 を見積もることは非常に難しかったのです。納期回答 手書きでの稼働計画作りは、その作業自体の非効率 当時、手作業による稼働計画の作成には までの時間も、結構かかっていました」 さだけでなく、工程全体の管理や現場の実作業といった 多くの時間がかかっており、また納期回答 さらに各工程のスケジュール調整がうまくできていな をする場合にも、返事が遅れがちになったり、 場面でも、大きなロスを生じさせていたのだ。こうした あるいは曖昧な答えしかできませんでした。 ければ、実際の作業現場では「指示待ち」といった状態 課題を解決するために同社が注目したのが、Asprova そこで稼働計画の精度と効率を高めるために、 が発生することになり、またイレギュラー対応の製品 Asprova の導入を考えました だった。 Asprova 導入の主たる効果 見える化 納期遵守 在庫削減 稼働率向上 リードタイム短縮 スループットの向上 計画作成効率化 計画サイクル短縮 頻繁な計画変更対応 工程情報の共有化
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Asprovaの利用にあたっては、 Asprovaの活用で、柔軟性のある マスターデータの重要性を痛感 計画作成や作業者の効率アップ が実現 Asprovaの導入プロジェクトは、ERPシステムの導入という 全社プロジェクトの一環として1999年9月に始まった。2000 導入後の1年間は、思うようにAsprovaを使いこなすこと 年10月には、第一段階として販売管理モジュールと、 ができなかった同社だが、現在、奈良工場では、Asprovaを Asprovaを含む生産管理システムが稼働を開始、そして 有効活用している。 2006年4月には会計管理モジュールが、同10月には購買管理  新システム導入前には、紙をベースとした管理であり、 モジュールが立ち上がっている。 在庫実態が曖昧となっていた。その結果、作業の投入計画 同社は、ERPシステムとして日立製作所の「GEMPLANET」 に関する判断の誤りを誘う事態も多発していた。 を選択したが、生産管理システムについては現場での使い  また、ホストコンピュータで現場が要求するデータを やすさを考慮し、日立情報制御ソリューションズの製造業 出力しようとすると、ホストコンピュータの知識が必要 向け生産管理システム「BOSSPLAN」を選択した。 となり、現場担当者には手を出しにくい状況があった。 スケジューラとしては「BOSSPLAN」と親和性の高い さらにホストコンピュータのレスポンスは遅く、要求する データを出したいとしても出てきたときには用なしに Asprovaが採用された。システムの移行はビックバン方式で なっていた。 行われ、旧システムから新システムへの切り替えは期日を  新システム導入後は、リスケジュールは毎朝実行され 決めて一気に行われた。 ている。スケジュール対象としている期間:9ヶ月、 BOSSPLANとAsprovaの連携の仕組みは、BOSSPLANに 対象となる作業数:26000ジョブ、この大量な作業割り マスターとして登録されている「各部品や製品の加工順序」 ご担当いただいたシステム開発会社様 付けを、日々発生する状況の変化を取り込んだ上で処理 や「資源データ」、「加工部品の受注データ」などをAsprova するのだ。しかも、スケジュールに要する時間はわずか  株式会社: に取り込み、生産計画を作る、というものだ。 5分である。導入前の生産計画は月1回、多くの人手を要   日立情報制御ソリューションズ 生産管理システムと連携するAsprovaの導入によって、 して手書きで処理され、イレギュラーな状況変化に対応  営業本部 稼働計画の作成を効率化できる仕組みは完成したが、実際 することが困難な状況であったことを考えると格段の  関西営業所 にAsprovaが期待通りに機能し始めるまでには、さらに1年 進歩である。  今若氏 を要することになったという。その原因について、当時生産  さらにホストの時代と違い、スケジュールに関する 瓜生製作様は、ERPパッケージの全面 管理プロジェクトリーダーを担当した南田取締役は、次の ロジックの作り込みがホストの知識無しで実行できるよう 導入にあわせて生産管理システムを導 になり、現場の要望が簡単に盛り込むことができるようように振り返る。 入されましたが、組み立て系の製造プロ になった効果も大きい。 「やはり一番大きな問題だったのは、生産管理システムに セスをお持ちだったので、ご提案に際し また現在は山本氏を含め、奈良機械課の2名がAsprova ては、製造現場のノウハウが盛り込まれ 登録されていたマスターデータの“曖昧さ”でした。マスター を使って稼働計画を作成しているが、山本氏は「現場の た生産管理システムとAsprovaの組み合 については、過去のホストコンピュータ時代のものをベース 端末画面で作業手順が確認できるので、上長の指示が わせが最適だと判断しました。 にしたのですが、Asprovaの要求するマスターはもっと精度 なくても作業を進めることが可能になった」と、「指示 の高いものです。両者で使われるマスターは似て非なる 待ち」時間の削除や作業者の自発的な取り組みといった ものでした」 効果を評価する。 ホストコンピュータ時代のマスターで作られていた作業 納期についても、Asprovaで作成した計画表に各工程の日付 指示書はかなりラフなもので、データ精度が低く、現場の が明記されており、また工場全体のモノの流れも非常に見え 実情と合わないものが散在していた。しかしその場合でも、 やすくなったという。南田取締役もAsprovaの大きな導入効果 人間が介在して不都合の対処をすることにより何とか運用 として、「工場の管理レベルの向上」を挙げた。 Asprovaをご評価いただいた点 ができていた。そのためAsprovaの導入時には、ホストコン この他、Asprovaを含めた生産管理システムの導入や 販売管理システムとの連携による効果としては、「在庫 ピュータに登録されているマスターをそのまま移行したため 量の削減」が挙げられる。導入前、月間売上高5億円の ・計画作成作業の効率化 に、現場の実運用に合わないスケジュール結果も含まれる 時にでも、棚卸資産として約38億円分あったものが、月間 ・現場の作業効率のアップ ことになった。 売上高が7億円強と増加した現在では逆に18~19億円 仮に加工時間として登録されたマスターデータと、現場で ・作業工程の管理レベルの向上 まで減ってきているという。 実際に必要な加工時間が合致していなければ、マスター ・工場内の「見える化」 この在庫の削減について、南田取締役は「システム を元にAsprovaで高い精度で稼働計画を立てても、実運用 ・在庫量の削減 導入によって“ムダな在庫”が見えるようになり、不要 では狂ってしまう。 在庫を処分したことによる効果も含まれている」と こうした状況に直面して、本稼働後に、2回、3回と繰り返し 語り、一連のシステム導入による「見える化」の効果 マスターデータの修正を行い、その精度を徹底的に高めて も強調して最後を締めくくった。 いったという。 生産スケジューラーのトップベンダー : アスプローバ株式会社 所在地 東京都品川区平塚 2-5-8 五反田ミカドビル 8F 電話番号 (03)5498-7071 FAX 番号 (03)5498-7072 http://www.asprova.jp/
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事例レポート NO.5 自社開発によるスケジューラーを Asprovaにリプレイス、 三菱電機株式会社 スケジューリングの時間短縮と開発工 期の削減に大きな効果 社名:三菱電機株式会社 名古屋製作所 所在地:名古屋市東区矢田南5-1-14 本社所在地:東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル 三菱電機 名古屋製作所様は、三菱電機の中でFactory Automation 創立:1921年1月15日 (以下FAと略す)に関わる機器全般を製造している工場であり、 資本金:1758億2000万円 約5000名の人たちが働いている。この工場で製造している製品 年間売上高:3兆6041億8500万円(連結) 従業員数:9万9444名(連結) は、放電加工機、レーザ加工機、シーケンサ、プログラマブル 事業内容:重電システム、産業メカトロニクス、 表示器、インバータ、サーボ機器、NC装置、産業用ロボットなど      情報通信システム、電子デバイス、 多岐に渡る。      家庭電器の製造、販売 等 URL:http://www.mitsubishielectric.co.jp このうち放電加工機を製造する工場は、三菱電機の提唱する FA統合ソリューション「e-F@ctory」を実際に導入したモデル工場 となっており、2001年、工場設備を入れ替えたタイミングで 「e-F@ctory」を導入した。そして、その際に生産スケジューラー として採用されたのが、Asprovaだ。Asprova導入前の課題と Asprovaの採用理由、導入効果などについて、メカトロ工作部 放電工作課長の加藤義広氏にお話を伺った。 FA 統合ソリューション導入のタイミングで、Asprova を導入 始めに三菱電機の提唱する「e-F@ctory」について、もう 少し詳しく紹介しておこう。「e-F@ctory」とは“情報化 技術を活用して工場の「見える化」を実現し、生産現場の 生産性向上を目指す”というコンセプトのソリューションで、 具体的には、設備や装置内部から、生産実績/稼働実績/ 品質情報といった現場情報をリアルタイムに吸い上げ、 情報システムで活用することで、品質/工期/生産性など の改善を支援するものだ。三菱電機では多くのパートナー メカトロ工作部 メーカーと連携しながら「e-F@ctory」をユーザー企業の 放電工作課長 工場に提供しており、名古屋製作所の放電加工機工場は、 加藤義広氏 この「e-F@ctory」を導入したモデル工場として、施設 見学の申し込みが後を絶たないという。 従来のスケジューラーは自社開 次に、同工場の製造する放電加工機についてだが、これは 2基、と「5面加工機」1基より構成されている。 発によるもので、システムの構 文字通り、“放電”現象を利用して金属素材を削り、金型 加工ワークが極めて大きいので、加工ワークを固定 築に大きな手間がかかっていま などを作るための加工機械で、加工電極に毛髪ほどのワイヤ した状態でフライス加工、エンドミル加工、穴あけ した。さらに実際の利用場面で を使用する「ワイヤ放電加工機」と、加工したい形の電極 加工、タップ加工といった4タイプの加工処理が施される も、スケジューリングに長い時 を使用する「形彫放電加工機」とがある。三菱電機 名古屋 ことになる。固定した状態で加工を行うため、ワーク 間がかかっていたのです。これ 製作所様ではこの両機種を製造している。 の取り付け面は加工できないので、始めの加工が らの課題を解決するために、  Asprova導入対象となっている製造ラインでは、放電 終わった段階で、部品を裏返しにして次工程の加工 パッケージ製品である Asprova 加工機の大型構成部品である「コラム」や「ベッド」 を行なうのだ。 を導入しようと考えました。 などを加工している。この製造ラインは、部材を格納  冒頭でも少し触れたように、同工場では2001年に しておく「自動倉庫」、加工ワークを搬送する「無人 工 場 設 備 を 刷 新 し た が 、 こ の タ イ ミ ン グ で 搬送車」、加工機械としては「横形マシニングセンタ」 「e-F@ctory」を導入し、合わせてAsprovaを採用した。 Asprova 導入の主たる効果 見える化 納期遵守 在庫削減 稼働率向上 リードタイム短縮 スループットの向上 計画作成効率化 計画サイクル短縮 頻繁な計画変更対応 工程情報の共有化
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以前のスケジューラーは自社開発、 可能なものを、その都度、スケジューリングしていたのです。 スケジューリングにかかる時間も5~10分 その1回の都度スケジューリングに、5分から10分、かかって いました」(加藤氏)  同工場で加工を行なう放電加工機において、Asprovaで  また、2001年以前に稼働していた工場設備は1982年に導 の計画対象となる加工部品点数は1台あたり約8部品あり、 入されたもので、先に紹介したCOBOLによるスケジューリン 毎月約1300のオーダーに分割された加工工程をスケ グシステムもその時に構築されたものだが、この時には、 ジューリングしている。これらの作業について、Asprovaは オフコンをFAコントローラとして利用するためのソフトウエア マシニングセンタ等のツール交換などの段取り作業などを や周辺インタフェース部分も含め、24名のSEが約1年がかり 含め、作業計画の最適化を行っている。 で一連のシステムを作ったという。  放電加工機の全体の生産計画については、上位の生産 管理システムで管理されており、そこで受注状況も見ながら Asprovaの導入でスケジューリング 毎月製造する「台数」を決め、出荷までの「大日程計画」が 時間が1~2秒に短縮、開発工期も 作られている。その中で、機械の加工工程については、 約80%削減 機械1台の製造期間が3~4日間で設定されており、それに 基づいて「着手日」と「完了日」が指示されることになる。 「e-F@ctoryを導入し、新たな情報システムを利用する  Asprovaでは、外注に出すものを除いた機械について、 時には、より速いスケジューリングを実現し、導入期間 「着手日」と「完了日」の日程を取り込み、まず部品展開し、 や導入コストもかけなくてもすむパッケージソフトの利用 次に工程展開をし、それを加工機械に割り付けてスケ を考えていました」(加藤氏) ジューリングを行なっている。  そして導入されたのが、Asprovaだ。導入の経緯を、  Asprovaを稼働するタイミングは、基本的に月1回と、 加藤氏は次のように語る。 週1回だ。この点について、メカトロ工作部 放電工作課長の 「e-F@ctoryの導入が決まりプロジェクトが開始して 加藤義広氏は、次のように説明する。 スケジューラの検討を始めました。その時一番先に情報 「月に1回のスケジューリングは、大日程計画に基づいて、 が入ってきたのがAsprovaでした。また、よく調べていく 加工工程の詳細計画を立案するためのものです。放電 と弊社の中津川製作所で既にAsprovaを8本導入していた 加工機の加工工程は、いわば“仕込み生産”のような形で 実績があり、話を聞きに行きました。そこでは8本を 製造しているので、月に1回、生産計画を作れば、基本的に 一気に導入したのではなく、順次、使用する場面を増やして 変更することはありません。 いったとのことでした。『リピートして買い増しながら  次に毎週1回のスケジューリングは、投入作業の繁忙に 使っているのなら、それはいい製品なのではないか。」 基づいて土曜日の操業形態を変更するためのもので、 と思いAsprovaのセミナーにも参加して、これは使える 通常、月曜から金曜までは、ニ交代もしくは日勤プラス残業 という確信を持ちました。」 で従業員が工場を稼働させているのですが、土曜日は  Asprovaの選定ポイントとして一番評価したのは、 操業形態が異なります。それを調整するためにも、Asprova “スケジューリングの速さ”だという。 Asprovaをご評価いただいた点 を回しています」 「Asprovaは、スケジュール自体は本当に速い。1~2秒  Asprova の導入以前、同工場ではこうしたスケジューリング もしないうちに結果が出てきます」(加藤氏) ・スケジューリング時間の大幅な短縮 を、COBOL言語による自社開発のシステムで行なって  また自社開発のスケジューラーをAsprovaにリプレイス ・開発工期の約80%削減 いた。その時には、1作業のスケジューリングを1回行なう したことによって、「開発工期は大げさにいえば、 のに、5分から10分もかかっていたという。 約80%は削減できた」(加藤氏)という。  「当時は1ヵ月分のスケジューリングを行なうのではなく、  スケジューリング時間の大幅なスピードアップに加 都度計画を立てていました。つまり始めにオーダーを日程 え、開発工期の劇的な短縮まで含めて、Asprovaは同工 順に分割しておき、あるオーダーが終わった段階で、残りの 場に対して、大きな導入効果を提供することができたと スケジューリング対象物の中で、優先順位が高く、取り付け いえるだろう。 生産スケジューラーのトップベンダー : アスプローバ株式会社 所在地 東京都品川区平塚 2-5-8 五反田ミカドビル 8F 電話番号 (03)5498-7071 FAX 番号 (03)5498-7072 http://www.asprova.jp/ AAsspprroovvaa AAPPSS
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A S P R O V A ユ ー ザ ー 事 例 ① 株式会社木原製作所 スケジュール処理の高速性からASPROVAを導入。 平準化などの効果に加え、大幅な在庫削減も実現。 木原製作所茨城工場では、主にトラック関係の排気管やエンジン周りの配 管、建設機械の油圧配管などを生産している。得意先が多く、生産品数も 多いといった特色がある。そのため受注変動も多く、スケジュール計算は 毎朝製品と構成部品の2回行っている。そこで、ASPROVAの大きな特 長であるスケジュール計算の高速性が高く評価された。また、 ASPROVA自体の柔軟性によって、大きくカスタマイズすることなく得 意先や生産品数の多さにも対応できた。 導入以前の問題点 生産スケジュールは混乱状態にあった ●得意先別に生産計画を立てていたため、得意先別の工程  木原製作所茨城工場では、いままで得意先ごとの工程担 担当者からの指示によって、そのつど、生産計画を行 当者が指示に基づいた生産を行っており、得意先ごとに予 い、得意先別の予定表、作業表、欠品リスト、追加手配 定表や作業票、欠品リスト、追加手配などの伝票が発行さ を行っており、事務所も現場も書類の山になっていた。 れていた。何人もの得意先担当から、同時期に生産要求が ●加工ラインでは同時に何人もの工程担当者からの指示が 出されるため、現場では生産の優先順位などを把握できな 重複するため、予定に混乱が生じていた。 くなったり、事務所や現場は書類の山となっていたとい ●工程担当者は自分の工程分担を消化させたいため、在庫 う。しかも、納期遅れを心配するあまり、余計な在庫を確 を隠したり、無理に在庫を増やすなど、多くの無駄や現 保したり、生産を急がせるために在庫を隠すといったこと 場への無理な作業が発生していた。 も発生していた。生産管理はすでに20年ほど前からオフコ ンを導入して実施してきたが、実際の生産スケジュールに 導入決定理由 ついてはこういった混乱状態にあった。 ●ASPROVAのスケジュール処理の高速性。  「スケジュール管理の導入は、10年くらい前から検討 ●カスタマイズにおける柔軟性の高さ。 し、実際に何度かトライしましたが実際の導入にまで至り ●スケジューラ研究所自体の対応の良さ。 ませんでした(」生産本部 生産管理室 室長 佐藤昌美氏)。 導入効果 その大きな要因として、得意先や品数が多くなると、対応 できなくなるシステムが多かったことがあげられる。 ●生産計画の立案時に伝票発行を行わず、毎朝の ASPROVAは、スケジューリング処理の高速性や、さまざ ASPROVAでの負荷計算だけで済ませるようになった。 ●各加工ラインでは、毎朝の作業指示書に基づいて作業を まな要望に対するスケジューラ研究所自体の対応を高く評 進められ、現場での混乱や過剰在庫などが無くなった。 価して導入を決定したという。処理速度については、「デ 特に在庫については、30%以上も削減できた。 モを見てびっくりした」(佐藤氏)とのこと。また、懸案 ●作業指示書には、優先順位や平準化が盛り込まれてお だった品数の多さについても、ASPROVA自体の機能を活 り、工程担当者が無理な要求を出す必要が無くなった。 用することで、大きくカスタマイズしなくても対応でき 株式会社木原製作所 本社:〒101-0021 東京都千代田区外神田6-14-9 茨城工場:〒303-0042 茨城県水海道市内守谷町5166番地 創業:昭和18年2月、設立:昭和29年7月、代表者:代表取締役 社長 木原恒夫、資本金:1億7百万円、従業員数:270名(平成 10年6月現在)、売上高:50億円(平成9年実績)。創業以来、原 動機、自動車、産業機器、船舶などに用いられる低圧から高圧 までのさまざまな金属パイプ組立製品を生産してきた。 左から生産本部 生産管理室 室長 佐藤昌美氏、生産本部 システム開発室 室長 坂巻澄夫氏、生産本部 生産管 理室 有川勲氏、生産本部 生産管理室 荒井重光氏
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図1:木原製作所のシステム構成図 得意先別の予定と社内払い出し予定の2回 のスケジューリングのために、オフコンと ホスト� ASPROVA ASPROVAの間でも毎朝2回のファイル転 ファイル転送(製造ロット番号)� 送が行われている。オフコンでは、部品展 CPU:Pentium233MHz� 開、納期確定の処理、作業指示書等の帳票出 メモリ:96MB� 力を行っている。 OS:WindowsNT 4.0 ファイル転送(スケジュール結果)� ASPROVA� 周辺機能� 作業指示など� (MS-ACCESS)� た。カスタマイズを最小限で済 転送情報� 確認帳票� ますことができた点も高く評価 etc しているという。 現場ホスト端末� 各部署� (40台)� WindowsPC,Machintosh もはやASPROVAなしでは 業務が進まない  ASPROVAでのスケジュール計算は、毎朝、得意先別に 合わせた予定と社内の払い出しからの予定と2回実行す る。「最初に製品のスケジュール計算を行い、その結果か ら構成部品の払出計算後、構成部品のスケジュール計算を しています(」生産本部 システム開発室 室長 坂巻澄夫氏)。 そこで、スケジューリング処理の高速さがより求められる のである。1回のスケジュール処理にかかる時間は、わず か10分程度で済んでいる。  同社では、スケジュール管理システムの役割として、得 意先別作業指示の一本化、負荷計画を行い無理のない指示 を出す、スケジュール通りに作業すれば納期を満足でき 図2:ASPROVAでスケジュールした結果のガントチャート。 る、必要なもののみ生産する、仕掛品を少なくする、多数 回生産への移行を可能にする、生産準備が事前処理でき る、といったことを掲げていた。ASPROVAは、こういっ た点をほぼ100%満足しているという。  しかも、ASPROVAによってスケジュール管理を行った ことから、在庫の大幅な削減も実現した。「いままでは、 何百本ものパイプをまとめて生産することで、工程担当者 のニーズに応えていましたが、スケジュール管理をしっか り行うことで1回の生産ロット数を小さくすることで在庫 を大幅に圧縮できた(」佐藤氏)。金額ベースで、30%以上 は削減できたという。  このように大きな効果を上げているASPROVAは、「いま 図3:各部署からのさまざまなニーズに対応して木原製作所が自社開発し たASPROVA周辺ユーティリティのメイン画面。 の生産管理システムに一体化しているので、ASPROVAな しではもはや業務が進まない(」坂巻氏)というほど同工場 にとって必要不可欠なものとなっている。 データ・ボリューム ※会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。 完成品品目数 3,400 総品目数 10,000 お問い合わせ先 資源数 100 株式会社スケジューラー研究所 工程数 3 計画期間 58日 〒142 東京都品川区平塚2-5-8五反田ミカドビル9F 計画周期 1日1回 URL.http://www.scheduler.co.jp/ 期間内ロット数 6,000 担当:荻田貴紀( ogi@scheduler.co.jp) 期間内ジョブ数 15,000
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ユーザー事例 三菱電機株式会社 中津川製作所 GUI の見やすさと充実した標準機能で ASPROVA を選択 計画作成の改善だけでなくホストの予定出力の期間短縮にも貢献 三菱電機 中津川製作所では、家庭用及び業務用の換気扇、換 気空清機、産業用送風機を主に製造している。ホストから出 力される山積みリストから手作業による計画立案を行なって いたため多くの時間がかかっていた。しかし、ASPROVA の導 入により計画作成の時間を削減できただけでなく、ホストの 加工予定出力サイクルの短縮にも対応できた。様々な導入効 果が高く評価されている ASPROVA は、現在同製作所の5部署 で稼動している。 導入以前の問題点 計画立案に膨大な負荷がかかっていた ● ホストから出力された1ヶ月分の加工予定の 三菱電機株式会社 中津川製作所では、計画の立案を部品 リストを元にワークグループ担当者が手作業 の加工工程と製品の組立て工程の2つに分けて処理してい で計画を立案していたため、多くの時間がかか る。スケジューラー導入前の加工工程では、1ヶ月先の組立 っていた。 て計画に対する加工予定をまとめた山積みリストを、ホスト ● 手作業で計画を作成するために、作成した計画 から各ワークグループ毎に月に2回出力していた。各担当者 に「無駄な段取りが入る」、「単純なミスが発生 は何枚もある山積みリストを見ながら、標準時間、稼動時間、 する」等の問題があった。 段取り等の条件を考慮しながら手作業で加工計画を作成し ていた。それに加えて計画変更にも対応しなければならない 導入決定理由 ため、一ヶ月のうち約2週間を計画の作成、修正に費やして ● ASPROVA のユーザーインターフェースの見易さ いた。また、計画作成に多くの時間がかかっていただけでな ● ASPROVA 標準機能の充実度の高さ く、何枚ものリストを見ながら手作業で計画を作成するため ● ASPROVA のスケジュールスピードの高速性 に、作成した計画に無駄な段取りが入っている、単純なミス をしてしまう等の問題もあった。 これらの問題を解決するためにスケジューリングシステ 導入効果 ムの導入を検討することになり、最初にデモを見たのが ● ワークグループ担当者の計画立案の工数が削 ASPROVA だった。ASPROVA のデモは ASPROVA 販売特約店の東 減したため、部品の納期フォローや伝票計上な 海 NTT データ通信システムズが行った。ASPROVA の高速なス ど、他の業務も行えるようになった。 ケジュールスピードや多くの機能を標準装備している点、更 ● 作成した計画に「無駄な段取りが入る」、「単純 にユーザーインターフェースの見やすさが特に好印象とし なミスが発生する」等の問題を解消できた。 て残っており、「スケジューラーの機能は十分であると評価 ● ホスト側で計画変更等により柔軟に対応する も高かった」(製造管理部 情報システム課 主事 田中洋二 ために、加工予定出力サイクルの短縮が進めら 氏)という。東海 NTT データ通信システムズは更に深い理解 れたが、加工計画の作成は問題なく対応でき を得てもらうため、計画作成の担当者の協力を得て2日間か た。 けて実データを設定してデモを行った。その結果「これなら ● 製造品目の検索を容易に行えるようになった。 行けそうだと直感しました」(住宅用換気送風機製造部 工 作課 工程係 主任技師 鈴村卓弘氏)という。このように、 情報システム課と現場担当者による具体的な評価を経て ASPROVA の導入に踏み切った。 三菱電機株式会社 中津川製作所 〒508-8666 岐阜県中津川市駒場町 1-3 創業:昭和 18 年 従業員数:1,350(男 1,130、 女 220) 三菱電機名古屋製作所の分工場として創業して以来、家庭用及び業務用の換気 扇、換気空清機、産業用送風機、温風暖房機等の風や空気に関する製品を主に 製造してきた。最近では、住宅用太陽光発電システムやハンドドライヤー等も 左から住宅用換気送風機製造部 工作課 工程係 主任技師 鈴村卓 製造している。 弘氏、製造管理部 情報システム課 主事 田中洋二氏、製造管理部 情報システム課 主務 梶田正和氏
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ユーザー事例 図1:システム構成図 ホスト サーバー ホストに蓄積されている全データからワASPROVA ASPROVA ークグループ毎にデータを取り出し、各 ユーティリティ 加工情報、マスター (MS-ACCESS) スケジュール立案部署の ASPROVA でスケ 加工情報 ジュールを行う。作業指示書は ASPROVA ユーティリティから出力できる。スケジ スケジュール結果 作業指示書等 ュール結果はサーバーに送信し、各部署 の PC 端末にインストールされている自 ス ASPROVA ASPROVA ユーティリティ 社開発の VB ユーティリティで参照等がケ 結 ジ (MS-ACCESS) できる。 果 ュ ー ル 作業指示書等 スケジュール立案部署 (5部署) 各部署のPC端末(VBユーティリティ) ASPROVA の周辺開発と現場への導入は、ほとんど情報シス テム課が行ったが、「元データがしっかり揃っている部署 は1ヶ月かからないが、それがないと非常に苦労する」(製 造管理部 情報システム課 主務 梶田正和氏)というよう に、周辺開発よりもむしろデータの収集、マスタの設定に 苦労したとのこと。現在は5部署で ASPROVA を活用してお り、6部署目への導入に向けてデータ設定や条件の決定を 行っている。 計画作成の改善だけでなくホストの予定出力サイク ルの短縮にも対応できた ASPROVA の導入により各担当者の計画作成の負荷が削減 され、部品の納期フォローや伝票計上といった計画作成以外の業務にも多くの時間を割くことが出来るようになっ 図2:ASPROVA でスケジュールした結果のガントチャートとロットガン た。また、ASPROVA 導入以前に問題となっていた「無駄な トチャート。 段取りが入る」、「単純なミスが発生する」等を解消するこ とができたのに加え、計画変更の対象品目を検索する手間 も大幅に軽減されたという。 また、ホストも計画変更等により柔軟に対応するために 加工予定の出力の期間短縮が進められた。月2回の出力か ら品目によっては毎日出力するように期間短縮した。しか し、計画作成に ASPROVA を利用しているので、問題なく対 応できているという。「ホストの期間短縮されてもスケジ ュールが出来ているのは ASPROVA のおかげ。」(鈴村氏)と いうように、計画作成の改善に効果を上げているだけでな く、ホスト側の改善にも対応することができた。 このように具体的な効果を上げている ASPROVA に対し て、現在はほとんど問題無いという。ASPROVA で作成した データを有効に利用するために RDBMS も同時に導入し、実 績入力や加工計画参照等のアプリケーションと組合わせ て、各クライアント PC から利用している。今後は、更にス ケジューラーのデータを有効利用し、ペーパーレス化、組 立てライン側での加工日程の利用等を考えている。 図3:自社で開発したVBの画面。各PC端末からサーバーのスケジュ データボリューム ールデータの参照等が出来る。 完成品品目数 3,000 総品目数 7,100 資源数 55 工程数 1~2 計画期間 3ヶ月 計画周期 毎日~1ヶ月 期間内ロット数 10,000 ※会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。 期間内ジョブ数 20,000
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ユーザー事例⑥ 日立金属株式会社 桑名工場 高速なスケジューリングスピードから ASPROVA を選択 計画立案時間の短縮だけでなく計画サイクルの短縮も実現 日立金属株式会社 桑名工場では、ガス用、給水給湯用、排水用、防災用などの配管システム部材を主 に製造している。ASPROVA 導入以前はホストで計画を立案していたが、計画立案に時間がかかるだけで なく計画立案者や現場に負荷がかかっていた。また、客先ニーズに対応するためには計画サイクルの短 縮も必要となっていた。ASPROVA を導入後は計画立案時間が約3時間と大幅に短縮できただけでなく、 以前は月に1回だった計画立案を週に1回のサイクルに短縮できた。また、ASPROVA の COM インターフ ェースを利用して様々な周辺機能を追加拡張することで、計画修正時の負荷を削減することができた。 導入以前の問題点 ホストでの計画立案に無理が生じてきていた ●ホストでの計算時間が長時間であり、そのた め計画を立案するまでに3、4日かかってい 日立金属株式会社 桑名工場では、いままでホストを使 た。 用して月に1回計画を立案していた。ホストでの計算は5、6 ●ホストでは計画変更に柔軟に対応できないた 時間と長時間でマシン負荷が大きいため夜間に実行し、翌日そ め、出力結果を手修正して差し替えたり、製 の結果から計画担当者5人が1日がかりで納期、段取り替え、 造現場の調整に走り回っていた。 稼働時間を考慮した修正を行っていた。このサイクルを数度繰 ●計画変更では現場のベテランの方にも負荷が り返すため、計画立案に3、4日かかっていた。特急注文など かかることがあった。 で計画変更が発生した場合、ホストでは柔軟に対応できないた ●月1回の計画立案では客先のニーズに答える め、計画の出力結果を手修正して差し替えたり、製造現場の調 ことが難しいなどの問題から、計画サイクル 整に走り回ったりしていた。調整が難しい場合は現場のベテラ を短縮する必要があった。 ンの方にも協力してもらうなど計画担当者以外にも負荷がかか っていた。また、月1回の計画立案では客先のニーズに答える ことが難しい、計画の精度が上がらないという問題もあり計画 導入決定理由 サイクルの短縮が必要であった。これらの問題を解消するため ●ASPROVA の高速なスケジューリング に、スケジューラー導入が検討された。 ●ASPROVA の GUI の使いやすさ パッケージの選定では日立金属株式会社 生産システム研究 ●ASPROVA のマスタ設定の豊富さ 所から ASPROVA の推薦があった。生産システム研究所では様々 な生産管理パッケージの比較を行っており、「セミナーに出席 導入効果 するなどして複数のパッケージを比較しましたが、ASPROVA のス ●計画立案時間を約3時間に短縮できただけで ピードに魅力を感じました。」(生産システム研究所 清水宏昭 なく、計画サイクルも週1回に短縮できた。 氏)とのこと。ASPROVA 体験版で試したところ、GUIの使いや ●ASPROVA の高速スケジュールにより、計画変 すさや代替設備の設定などマスタ設定の豊富さもあり ASPROVA 更が苦にならなくなった。 を推薦した。 ●注文を受けてから生産開始までの時間を短縮 ASPROVA の導入では「出力結果のチェックと既存の POP システ でき、客先のニーズへの対応を改善できた。 ムとのインターフェースのチェックに時間をかけました。」(工 ●ASPROVA のプラグイン、オートメーションな 場長室 システム 主任 増田憲一郎氏)とのこと。チェック どで周辺機能を開発して、計画修正の負荷軽 作業は現場の方と協力しながら作業を行ったという。また、シ 減など様々な効果を上げている。 ステム側でも現場をよりよく知るために長期間現場に密着する など、現場とシステムの協力したことが上手く導入できたポイ ントといえる。 日立金属株式会社 桑名工場 〒511-8511 三重県桑名市大福二番地 設立: 1937 年 売上高:30 億円/月 従業員数:900 人 設立以来、ガス用、給水給湯用、排水用、防災用などの様々な配管システム部材を 中心に、空調・給水機器や精密制御機器など広範囲に生産している。近年の材料や 工法の多様化に伴う配管ニーズにも、ガス用ポリエチレン配管システム部材、給水 給湯用ポリブテン配管システム部材、さらにはハイテク分野向けのマスフローコン トローラーやメタルダイアフラムバルブを始め、時代を先取りする新素材、新技術 桑名工場 工場長室 システム 主任 増田憲一郎氏(左) の研究開発にも取り組んでいる。 生産システム研究所 清水宏昭氏 (右)
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ユーザー事例⑥ 図 1:システム構成図 ホストから週に1回、オーダ情報と実績 情報が ASPROVA の PC に送信される。スケ ジュール結果は現場の POP 端末に送信さ れる。実績は現場の POP 端末で入力され、 ホストに送られる。 予想以上の効果が出てきて いる 導入前の目標としてホストから 週1回データを送信することが あったが、最初は月1回、その 後週1回に移行する方法をとっ た。週1回に移行する直前で設 備の条件が変更になり、移行が 数ヶ月遅れたが、「設備の条件 のシミュレーションに ASPROVA が役に立ちました。」(増田氏)と 思わぬ所で ASPROVA が利用できたという。 ASPROVA 導入後は計画立案時間が指示出力までで約3時間と大 幅に短縮できており、ホストから週1回データを送信する運用に も難なく対応できている。計画修正についても ASPROVA のスケジ ュールが高速なため、何度修正しても苦にならなくなったとい う。また、注文を受けてから生産開始までの時間を短縮できたた め、客先からのニーズの対応も改善できたという。 ASPROVAの機能を自力で拡張。計画修正の負荷の軽減な どが実現できた 導入時に現場に密着して得られた要望などは、ASPROVA の COM インターフェースを利用したプラグイン、オートメーション機 図2:ASPROVA 画面とプラグイン機能を利用して自社開発した画面。 能、Excel などを活用して機能を拡張している。これにより、計 品目の詳細情報やバランスを見ながら計画を確認、修正できる。 画修正時の負荷がより軽減できただけでなく、現場のベテランの 方への負荷も軽減できた。また、変更内容を収集し、ASPROVA の 計画パラメータやロット優先度などに反映させて計画精度をよ り向上できる仕組みも構築している。 今後は現場とシステムが協調しあいながらASPROVAの有効利用 の検討、プラグイン、オートメーション、Excel などの周辺機能 の開発などシステムを改良してゆき、ホストからのデータ送信を 週1回から毎日、計画立案時間を1時間以内に短縮したいと考え ている。またそれ以外にも、在庫の 20%削減、リードタイムの短 縮、段取り時間の短縮などを考えており、より良い計画立案と顧 客満足度の向上を目指している。 図3:ASPROVA の計画結果を各担当者が確認、修正できるような機 図4:生産計画 能を EXCEL で自社開発した。ここで修正した結果は最終的に COM を のメインメニ 通して ASPROVA に送信される。 ュー。様々な現 場の要望を反 映させている。 データボリューム またオートメ ーション機能 完成品品目数 9,000 を 利 用 し て 総品目数 60,000 ASPROVAの処理 資源数 900 を自動実行す 工程数 15 ることも出来 計画期間 2ヶ月 る。 計画周期 週1回 期間内ロット数 約 20,000 期間内ジョブ数 約 150,000 1回のスケジュール時間 約 15 分 ※会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。