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バリエーションとオプションを管理し、製造コストを削減

事例紹介

電気制御・電装設計システム「E3.series」事例紹介

製本機械、印刷機械、新聞発送システムなどの分野で、世界中の印刷会社へ幅広い製品を提供しているミューラー・マルティニ社は、老朽化したCAD 設備を新しい電気CAD へ置きかえることとなり、E3.series を導入していただきました。
導入の結果、あらゆる機械バリエーションの80%を単一のE3.series プロジェクトの機能ツリーから選べるようになりました。さらに、キャビネット製造のNC 加工にE3.series のデータを活用することで、全体の製造コストの削減を図っています。

このカタログについて

ドキュメント名 バリエーションとオプションを管理し、製造コストを削減
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 555.6Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 株式会社図研 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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バリエーションとオプションを管理し、 製造コストを削減 ─「 E3.series」海外導入事例 ─ ミューラー・マルティニ社は製本機械、 印刷機械、新聞発送システムなどの分 Müller Martini Electronic AG 野で、世界中の印刷会社へ幅広い製 品を提供しています。この度、スイス 本社で老朽化した CAD設備を、新し い電気 CADへ置きかえることとなり、 E3.seriesを導入していただきました。 導入の結果、あらゆる機械バリエーショ ンの 80%を単一の E3.seriesプロジェ クトの機能ツリーから選べるようにな りました。さらに、キャビネット製造 の NC加工に E3.seriesのデータを活 用することで、全体の製造コストの削 減を図っています。 Spearker 導入前の課題 ・各 担当部門が個別に修正指示を図面に記入していたので、それらを 取りまとめるのに時間と手間がかかっていた。 ・ 設計、製造、調達間で情報が共有されていなかった。 ・生 産現場でケーブルと筐体の干渉などの問題が起こり、手戻りが発生 していた。 Markus Husner(マーカス ハスナー) Head of Control Systems Technology, Müller Martini Electronic AG 導入効果 “E3.series の最も有力な長所の ・製 品バリエーションの 80%は E3.series のプロジェクトファイルから ひとつは、オプションやバリエー ション管理に非常に強いことで 直接取り出し可能。 3 す。E3.series を導入したことに ・E .series のデータを活用して筐体にドリル穴をあけることで、コスト より、我々の製品のあらゆるバ を削減。 リエーションの80%を単一プロ ・設計、製造、調達間のスムーズな情報授受。 ジェクトの機能ツリーで表現で きるようになりました。” ・設計時のシミュレーション活用により、製造からの手戻りが減少。
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はじめに  製本機械、印刷機械、新聞発送システムなどの分野で、世 【新システム導入のための仕様書リスト】 界中の印刷会社へ幅広い製品を提供しているミューラー・マル ・(距離のある)拠点をまたいだ協業をサポート ティニ社は、設計から製造までのあらゆるプロセスの効率を最 適化するため、電気設計のツールを置き換えることにしました。   ・オプションとバリエーションのサポート  あまり知られていませんが、世界中で作られている多くの ・メカ設計データと PLCプログラミングとの連携 雑誌がミューラー・マルティニ社製の機械で作られています。   ・全拠点からアクセスできる 同社は最高品質の機械を提供するだけでなく、変革の時期を      中央管理型ライブラリーを設置 迎えている印刷業界で、豊富な知見を活かしたパートナーの役 ・マテリアルデータを統合し、既存の ERP システム(SAP)と連携させて BOMで管理 割も果たしています。  インターネットやオンラインメディアが普及し印刷物が減少す る一方、印刷物の多様性は増加しています。表面がつやつやの パンフレットなど、見栄えや触感(Look & feel)が求められる オプションとバリエーションを管理 ような、手の込んだ仕事が増えています。  ミューラー・マルティニ社では顧客企業がチャンスを逃さず、  主要な電気 CAD ベンダー数社を評価した結果、以下の理由 製品の魅力で競合に勝てるよう、少ロットの印刷物でも凝った により図研の E3.series が導入されました。 仕様に対応できる、柔軟性をもつ機械を提供しています。 ① オブジェクト指向型 CADで、概略図、ケーブル設計、盤配置、 設計・製造のサプライチェーンを管理して 組立指示などのプロジェクト内のあらゆる情報がリアルタイ プロセスを最適化する ムに自動更新される。 ② ミ ューラー・マルティニ社の ERPシステム(SAP)と  顧客ごとに個別ソリューションを提供することは、継続的な E3.seriesのライブラリー間でデータの互換性がある。 チャレンジが求められます。なぜなら、増えていくオプションや ③【 最大の理由】ミューラー・マルティニ社が「Automation バリエーションを、設計、製造、サプライチェーンにわたってしっ Studio(B&R社製)」を用いて構築していたオートメションシ かりと管理しなければいけないからです。オプションやバリエー ステムや、メカ設計とE3.seriesがダイレクトに連携できる。 ションはコスト要因となるので、先進的な取り組みや戦略によっ ④ 組立指示からNC穿孔と機械加工(カット、印刷、ラベル付け、 て、抑制しなければなりません。 ワイヤーの端末処理など)に及ぶ包括的な出力ができる。  これらの理由で鍵となるのは、E³.series が全仕様を定義し 【ミューラー・マルティニ社の取り組み】 た機能ツリーを、オプションやバリエーションとして扱えること と、E³.series がミューラー・マルティニ社の SAP(BOM 管理)で、 ・さまざまな部門が扱うサブシステムや 電気 CAD 環境の統合を可能とする、オープンなアーキテクチャ  コンポーネントを構成 だったことです。 ・設計、製造、調達間のスムーズな情報授受 “E3.seriesを支持する最も重要な理由は、オプションとバリエー ションにおける強さです。定義済みのいくつかのオプションを “我々は開発者に高い柔軟性を求めています。改革は全活動領 提供することで(各製品の)共通点を最大限活用し、基礎は一 域にわたり一貫して、迅速に遂行されなければなりません。そ 組のあらかじめ定義された機能ツリーに限定することが我々の れは仕様検討から納品までのリードタイムの短縮を、常に心が 目的でした。” けなければいけないということです。そのためには、(世界中に ある)メカ設計、電気設計、ソフトウェア設計などの詳細設計  ミューラー・マルティニ社のあらゆる機械とその構成を統一 部門が、地理的制約を超えて情報を共有できるよう、設計プ させるためには、バリエーションも含めて管理する必要がありま ロセスを統合する必要があります。” す。たとえモジュール自体が標準化されていても、バリエーショ ンによってケーブル長や電力消費や周波数のインバーターは異  設立当初から使われていた電気 CAD「レガシー」システムで なるので、それぞれを管理する必要があるのです。 はこの要件を満たせないので、新しいシステムを導入するため  しかし、E3.series を使うことで、すべてのバリエーションの の評価を始めました。 80% を、単一プロジェクトの機能ツリーとして表現できるように - 2 -
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なりました。  将来的には、配線だけでなく、筐体への穴開けや、加工も E3.series によって自動化させたいと考えています。 “我々はプロジェクトを作る際、あらゆる機械でまずは全仕様 を定義したバージョンを作成します。そこから、各バリエーショ “すべてが終われば、生産現場も設計部門が導入した新しい ンに合わせて不要な定義を外していきます。この方法はミュー CADシステムのメリットを享受できるようになります。我々は ラー・マルティニ社のレガシーシステムの時から使われていま いま、E³.seriesから送られたデータを活用して自動でラベルリ したが、様々なバリエーションを管理する負荷は、E3.seriesの ングされたワイヤー作ろうと Komax社のワイヤー加工機と接 採用によってかなり減りました。なぜなら、かつては既存のプ 続させようとしています。” ロジェクトをまるごとコピーしたものから、派生用の新プロジェ クトを作っていましたが、今はマスタープロジェクトであらゆる ケースの 80%が賄え、足りない部分をバリエーション機能を 生産コストの削減 使って設計すればいいのです。”  今回のプロジェクトでもう一つ重要なのは、E3.series データ を使っての NC 穿孔のためのパネルとキャビネットの加工をする ことでした。 “我々は、キャビネットに穴をあける位置を E3.seriesで指定で きるようにしようと取り組んでいます。ミューラー・マルティニ 社は本部のあるゾーリンゲンでキャビネットを自社生産してい ます。これはキャビネット生産する際、バックパネルに直接穴 を開ければ作業場が不要となり、組み立て時にかかるコストを 削減できるためです。組み立て時に使用される加工を必要とし ない穴が開いている鋼板は、買うととても高価なものです。” 各製品は、オプションとバリエーションで設計  このプロジェクトの目的は、穴のあけられた高価な鋼板を、 次のステップ 穴を開けた安いシャシープレートと取り替えることです。そのた めの必要条件は、E3.series で指定する穴明け位置を、NC 加工  E3.series の導入、そしてそのオプションやバリエーションを 機が読み込めることとなります。 扱える能力によって、下流工程である実装時のプロセス効率も  しかし、生産現場のコスト削減を果たすためには、設計方法 最適化できるようになりました。 の調整もいろいろ必要となります。  E3.series では、ダイレクトに使用しているかのように簡単に、 メカ CAD や 3D CAD 用にデータリストをつくり、配線や盤設計 “E³.seriesで穿孔用 NCデータを生成するとなると、設計者 をシミュレーションできるインターフェースが用意されています。 の仕事が増えます。ケーブル長や横断面、末端に問題ないか しかし、それらが上手く機能するためにはいくつかの課題をク をシミュレーションして確かめておく必要があります。今まで リアしなければなりません。まずは、レガシーデータの変換が これらの問題は、生産の途中で気づき解決されてきた問題で 求められます。 す。それをあらかじめ確認することも、今や設計者の仕事です。 生産の効率を上げるためには、設計の際により大きな労力を “例えば新聞の印刷に使われる輪転機のような巨大な機械が かける必要があるのです。” 修理される際には、レガシーシステムでは、1,000ページ以上 のデータを紙に出図し、それを担当部門に回覧。各部門が個  一方で、設計中に横断面と末端のチェックをすることになっ 別に修正指示を入れていました。E3.seriesは、レガシーシステ たので、製造現場の負荷は削減されました。ケーブル束が太す ムで作られたプロジェクトを開くことができます。E3.seriesで ぎることによる手戻りはかなり減少しました。 該当部分のみ修正し、全体を PDFとして保存することができ  キャビネットとパネルの 3D モデル検証によって、干渉やケー るので、データビューアとしても使えました。“ ブル過剰集約などの問題もかなり削減されました。  その結果、我々の評価で非常に良い結果をだしました。今ま “設計時に手をかければ、効率的な製造が可能となります。” では、様々な書式で戻される修正指示をまとめる作業が大変 だったのです。 - 3 -
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まとめ なり、設計工数が削減されました。また、設計製造プロセスを 見直し、設計者が 3D モデル検証などを事前に行うことで製造 ミューラー・マルティニ社では、変革期を迎えた印刷業界に貢 からの手戻りを減らすことにも成功しました。これらの取り組 献する機械を提供するため、自社の設計・製造のサプライチェー みにより、大幅なリードタイムの短縮が実現しました。さらに、 ンを徹底的に管理し、印刷機の受注から納品までのリードタイ ミューラー・マルティニ社では、E3.series から履きだした情報 ムの短縮を常に心がけています。老朽化したシステムの代わり を使いキャビネットへの NC 穿孔を行い、購入すると高価な穴 に図研の E3.series を導入した結果、あらゆる製品バリエーショ の開いた銅板を内製することでコストの削減も実現しようとして ンの 80%を単一のプロジェクト機能ツリーで表現できるように います。 E3.Series 図研のワイヤ・制御系/油圧・空圧の設計に適したWindows ベースの Müller Martini Electronic AG システム。学習しやすく、拡張性にも優れています。追加設定なしです ぐに使えるこのシステムには、配線図(回路図および流体図に使用)、ケー スイスのツォフィンゲンに本部があるミューラー・マルティ ブル(高度な電装および流体設計に使用)、パネル(キャビネッおよびパネル ニグループは、最高品質の印刷処理マシンの開発、製造およ レイアウトに使用)、フォームボード(1:1 の製造用ワイヤハーネス図面に使用) びマーケティングでグローバルな企業です。印刷業界との といった機能が用意されています。M-CAD と統合することで、E3.series パートナーシップに努め、顧客企業の成長と収益性を増加さ は、構想から物理的実現化、製造用の出力まで、すべてのプロセスを網 せるソリューションとサービスを提供しています。 羅する総合的な設計エンジニアリングソリューションとなります。 ※本資料に記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。 株式会社 図研 オートモーティブ&マシナリー事業部 http://www.zuken.co.jp/ ■ センター南ビル ■ 関西支社 ■ 名古屋支社 〒224-8580 〒530-0004 〒460-0002 横浜市都筑区茅ケ崎中央32-11 大阪 市 北区 堂 島浜 2 -2 - 2 8 堂島アクシスビル9F 名古屋市中区丸の内3-23-20 HF桜通ビルディング6F TEL 045-942-2146 TEL 06-6343-114(1 代) TEL 052-950-3671(代) © 2016 ZUKEN Inc.