1/4ページ
ダウンロード(5.5Mb)
Liquitrend QMW43 - 配管内の付着物を検知
配管内の付着物を検知するセンサLiquitrend QMW43 を導入し、プロセスの最適化を成功させた事例をご紹介。
関連メディア
このカタログについて
ドキュメント名 | 配管内を見える化して、プロセス効率と製品品質を向上 |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 5.5Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | エンドレスハウザー ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
Products Solutions Services
Liquitrend QMW43
配管内を「見える化」して
プロセス効率と製品品質を向上
お客様のプロセス
あるお客様は、トマトベースのソースや調味料の製造を専門としています。室温での
• 配管の中で何が起こっているかを知 保存性を高めるために、これらの低pH、高塩分の製品を低温殺菌する必要がありま
ることで、洗浄や生産サイクルを改
善する す。このお客様は、加熱プロセスに直接蒸気を注入しています。製品は100℃まで加熱
され、パスチャライザーのホールディングチューブ内で数分間保持されます。低温殺
• 製造中の付着物の挙動を監視し、工 菌された製品は冷却され、包装されます。
程開始前のクリーンな状態と比較す
る
エンジニアリングステーション 制御室
• 年間4,500ユーロの洗浄コストを削減
し、生産効率向上を達成
Ethernet TCP/IP
PROFINET または Ethernet IP
蒸気入力
お客様の挑戦
このお客様は、生産システム内の圧力上昇によって、製品の流れが悪くなっているこ
とを確認し、生産工程に悪影響が出ていることを懸念していました。
また、それによってHACCP基準の順守に制限が生じていました。
そのため、プロセスを中断し、CIP(定置洗浄)による付着物の除去を強いられること
がしばしばありました。
しかしながら、お客様はプロセス内の製品成分の蓄積(付着物)を監視する手段をお
持ちでなかったため、CIPの終了時に洗浄降下を確認し検証することができませんで
した。
Page2
2 Liquitrend QMW43
設備をクリーンに保つために必要なコスト
お客様はラインの詰まりの頻度を予測することができず、ま
た、その発生を防ぐこともできませんでした。頻繁な生産停
止を防ぎ、不十分な洗浄のリスクを低減するために、お客様
は洗浄剤の濃度を1%から1.5%に上げ、洗浄流量10m3/hr
で45分間の洗浄を行ったところ、洗浄剤の使用量は約2倍に
なりました。しかし、洗剤の濃度を上げても、お客様は洗浄量
に満足できず、CIPプロセスに自信が持てませんでした。お客
様は、生産プロセスの付着物の形成を監視し、CIPプロセス
の効率を検証するための効果的な手段を必死に探していま
した。
表面に残ったトマトソース
お客様の仮題を解決するための Liquitrend QMW43
の導入
Liquitrend QMW43は、配管やタンク内に蓄積する付着物の
厚さと導電性をモニタリングできるスマートな新製品です。
Liquitrend QMW43は、導電率および静電容量の計測技術
を使用しているため、導電性および非導電性測定物を扱うこ
とができます。信号出力は、IO-Link通信またはアナログ信号
で使用できます。お客様の課題を解決する完璧なソリューシ
ョンとして提案されました。
この装置は、バリベントプロセス接続を使用してホールディ
ングパイプの中央に設置(フラッシュマウント)され、付着物
の厚さと配管内の測定物の導電性の両方をモニターしまし
た。
Liquitrend QMW43 の運用法
100,000
Liquitrend QMW43を設置した後、お客様ははプロセスを一 10 製品のゼロ点 µS/cm
旦完全に洗浄し、きれいな状態を作りました。お客様は、水 mm
で満たされたときと生産開始時に装置の測定した付着物と 水の中のゼロ点
80,000
導電率の値を、ゼロ点として記録し、これをリファレンス値と µS/cm
9.5
して使用しました。 mm
運転中に、これらのゼロ点の値からの逸脱の度合いを継続 製造中の付着物形成
的にモニターすることで、お客様にリアルタイムで計測値に 9
mm
基づいた配管内の状態を把握していただきました 3,000
µS/cm
製造時の付着物形成 H2O 生産段階 H2O
CIP後 CIP前
製造週の終わりには、付着物の計測値がゼロ点の9.5mm
から9.8mmに増加していることが確認され、センサー表 Liquitrend QMW43の付着物信号 (mm)
Liquitrend QMW43の導電率信号 (µS/cm)
面に汚れや堆積物があることがわかりました。検証のため
に、配管を空にして、Liquitrend QMW43のバリベント接
続部を開けて実際の状態を確認しました。蓄積された付
着物を分析した結果、センサー上に堆積した有機物が原
因であることがわかりました。これをペーパータオルで拭
き取ったところ、センサの指示値はゼロ点の値に戻りまし
た。
Page3
Liquitrend QMW43 3
Liquitrend QMW43 の測定値に基づいたプロセスの
最適化
製造中の配管内での付着物の厚さや導電率の値がゼロ点 10 80,000
mm µS/cm
からどの程度乖離しているかをモニターすることで、いつ頃
から汚れが発生し始めたのかを正確に把握することができ
ました。
CIP後の水のゼロ点を観察した結果、お客様は洗浄剤の濃
9.5 3,000
度を1%に下げ、洗浄剤の流量を2倍にすることで、CIP時間 mm µS/cm
を増やすことなく、せん断応力によって洗浄性を確保しまし 分厚い付着物
た。Liquitrend QMW43の測定値を使用することで、HACCP 加熱プロセス(バッチ)の進行
基準を遵守しながら洗浄コストを削減することに成功しま
した。Liquitrend QMW43の測定値によって検証を行ったと
Liquitrend QMW43 の付着物信号(mm)
ころ、頻繁に加熱プロセスの中断と再開を繰り返したり、製 Liquitrend QMW43 の導電率信号(µS/cm)
品の交換をしたりすることによって、加熱された製品残渣 が A
プロセスの内壁に付着することが判明しました。
(右図A参照)
Liquitrend QMW43 の付着物信号(mm)
しかし、連続生産の場合、Liquitrend QMW43の信号が示す
ように、付着物の蓄積は非常に遅いものでした。 10 80,000
mm µS/cm
(右の図B参照)
その結果、お客様は課題の根本的な原因を突き止めること
に成功し、生産量を適切に調整することができました。 9.5
mm
薄い付着物
9 3,000
mm µS/cm
H2O 連続生産 H2O
CIP後 CIP前
Liquitrend QMW43 の付着物信号(mm)
Liquitrend QMW43 の導電率信号(µS/cm) B
結果として
Liquitrend QMW43から得られた予測に基づいて、お客様はCIP時の化学薬品の使用量を減らし、洗浄コストを削減しました。ま
た、プロセスの流れを最適化することで、停止時間を最小限に抑え、連続的な生産工程を実現しました。これにより、HACCP基準
に適切に準拠することができ、プロセス全体の品質が向上しました。
さらに、プロセスラインのスチームポケットを検出し、機器の稼働率を最適化することもできました。QMW43から得られた洞察
Liquitrend QMW43による節約効果(洗剤コストによる削減分のみの計算結果)
Liquitrend QMW43導入前 Liquitrend QMW43導入後
CIP サイクル/年 50 30
洗剤コスト/L 0.06 € (濃度. 1.5%) 0.025 € (濃度 1%)
洗浄の体積流量 10 m³/hr 20 m³/hr
CIP 洗浄1回の時間 20 min. 20 min.
洗浄用洗剤のコスト/年 9,000 € 4,500 €
Page4
www.jp.endress.com
AI01175F/33/JA/01.21